複数のインターネット通販サイトを巡回していると、時折まったく別の会社等が運営していてサイトのデザインも異なるのに、クレジットカード情報を入力する画面だけがまったく同じという事例に出会うことがあります。このような現象は、それらの通販事業者が同じ決済代行サービスを利用している場合にしばしば起こります。決済代行とは、小売事業者やサービス事業者などにとって必要となる決済業務を代行するという、一種のアウトソーシングサービスです。冒頭の例のように通販サイトの運営事業者がよく利用していますが、街中にある実際の店舗向けにサービスを展開しているところもあります。
クレジットカードによる決済は、小売事業者等がカード会社に加盟申請を行い、承認されることで導入できるようになりますが、実際に運用するためにはそれにふさわしい環境を構築する必要があります。インターネット通販であればサイト内に決済用のページを作る、店舗であればカードの読み取り装置を設置するなどがこれに当たりますが、決済代行サービスはこうした環境づくりをサポートしてくれます。そのため、ITに関する知識やスキルが十分でない事業者であっても、比較的簡単に利用環境を構築することができます。加えて、その後のカード会社とのやり取り、たとえば利用者情報の報告や利用代金の受け取りなども、決済代行サービスに仲介してもらえます。
これにより、少人数で事業を行っている者でも事務の負担を増やすことなくカード決済を導入することが可能になります。